月刊ショータ

元電通コピーライター。ずっと自称コラムニスト。著書『広告業界という無法地帯へ ダイジョーブか、みんな?』、『カウボーイ・サマー 8000エイカーの仕事場で』

column

「まだ見ぬ娘への十箇条」

人生とは実に皮肉なもので、いい人間になろうと努力している者が必ずしも異性からモテない。僕がこれに気づいたのは、成人してかなりの時間が経ってからのことだと思う。というか、つい最近のような気すらする。 女性について言えば、頭脳明晰で、六ヶ国語を…

「デブの日本人のおっさん」

もういい加減にしたらどうかと思うのだけど、英語とダイエット。一体、この二つの目的のためにどれだけのお金が使われ、そして、消えていったことだろうか。これを思うと、僕は、今までワタシの体を通り過ぎていった男たちに思いを馳せるクラブママのような…

「オノレらは、しないのかー!?」

ある土地について語る時、単なるお国自慢に陥ることなく、かと言って機内誌によくあるような、表層を舐めるだけの土地紹介に終始するでもなく論じようとすれば、その土地に一定期間住んで、しかも他所の生活も経験のある人間が最も客観的に語ることができる…

「僕には、無い」

僕にとって、心の底から愛しているのに、好きで好きでしかたないのに、いくら求めても飽き足りないのに、全然手が届かないもの。 音楽。 音楽について考える時、僕は片思いしている少年のような、もどかしい気持ちを禁じえない。 まず、僕の音楽遍歴について…

「ターカーシくん、あーそーぼっ」

恥を忍んで、生涯二度目の泌尿器科体験をしてきた。前回は、原因不明の「玉痛」で来院したが、それは今でも原因不明のままである。そのあたりのことは、以前に書いたので〇五年十二月号をご参照されたし。 さて、今回であるが、ここのところ仕事も結構忙しか…

「それは大人のものだ」

読売新聞の、しかも朝刊にこんなマヌケな「読者からの相談」が載っていたので、思わずここに紹介してしまおう。 「成人映画をコソコソ見る夫」 四〇代主婦 いい年して情けない (前略)相談は夫のことです。夫はマザコン気味ではあるものの、優しく、家族思…

「お前らになにがわかるっ!」

他業界の人には全く関係のないことなのだが、広告の世界には賞というものがある。それも、国内の地域のものもあれば、国際的なものまで多種ある。広告主に贈られるものもあるが、大抵は広告制作者、企画者に対して贈られるのである。 これが、なんともうまい…

「声に出して読みたいTとKの話」

今回の話は、男性ならわかりきっていることなので、興味のない方は読まなくても結構です。主に女性にとって有益な情報満載でお送りしますので、女性は可能であれば、おうちで、または会社で、声に出して読んでいただきたいと思っております。 女性の中には、…

「狼も豚も、ヨーシヨーシヨーシ!」

たとえば、親一人と腹をすかせた息子が三人いるとしよう。テーブルの上には肉まんが一つ。兄弟間でのジャンケンゲームをして、勝った者だけがその肉まんにありつくことができる。 しかし、三人の息子はライバルであると同時に兄弟でもあるから、事前に相談を…

「夜中におしっこにも行けました」

革ジャンというウェアは、たいていのモノは重たい。 そして、たいていのモノはジャストフィットが格好良い。 つまり年中着続けるには、着る側に相当の覚悟を必要とする。 さらに、やはりたいていのモノは存外暖かくもないのだ。 だが、残念なことに、ハーレ…

「しばらく考えさせてくれ」

うちのおやじがガンになった。肺ガンである。今回はこんな重い話題について敢えて書こうと思う。 おやじが体の不調を訴えて検査入院したのが、先月の初め頃。うちの父親は、定年退職でサラリーマンを卒業した後、週に一回大学で非常勤講師をしている。しかし…

「頭がイッちゃってる国を目指すために」

本屋でベストセラーになっているビジネス書や啓蒙書の類をほとんど読まない。「こうすればより優秀なビジネスマンになれる」とか「これで株で儲かる」的な指南書にはどうにも触手が動かないのだ。 本当は、少なくとも読まないよりは読んだ方がいいのだろうけ…

「オトナになんかなりたくないや」

出張で飛行機に乗ったら、行きも帰りもどこかの席で赤ちゃんが終始ギャーギャー喚いていて閉口した。出発から到着までずーっとだ。 乳児を飛行機に乗せることはできない法律はできないだろうか。 赤ん坊を飛行機に乗せて移動しなくてはいけない理由など、こ…

「これでスッキリ」

ある時ふと、「日本には都道府県が多すぎるのとちがうか」という考えが頭をよぎった。冒頭なので、故意に表現を丸くしたのだが、正直に告白すると、実際には「滋賀県とかいらんのちゃうか」と思ってしまったのである。滋賀県の人々、すまん。 四十七の都道府…

「弟A」

今回は、我が家のパンドラの箱を開けようと思う。箱の中には、我が弟が入っている。僕とは二つ違い。 彼はかれこれ十年くらいアメリカに住んでいるが、その人生は、軽々しく「いいなー」なんて言えないくらい、波乱がとても万丈しているのだ。心してお読みい…

「おうちで試してみよう」

血液型占いを信じるかどうかは個人の勝手だが、僕はA型にもかかわらず、身の回りが乱雑である。会社の机も書類や資料で溢れていて、実際、机の表面は埋もれて見えないくらいだ。イバれることでは決してないが、机上もそんなだし、引き出しも一杯で閉まらない…

「シュールな世界観で書いたコラムさん」

会社勤めを始めて何年もたつが、今でも気分は十七才の頃の尖ったナイフのままである。仕事として人と付き合うようになると、コミュニケーションにおいて、言葉とは符号的意味合いが強いことがよくわかる。 その符号的を少し説明しておくと、我々は「+」を見…

「死ぬまでにしたい十の人」

僕らはみんな、望んで生まれてきたわけではない。両親には望まれていたとしても、少なくとも本人は望んで生まれてきたわけではない。気が付いたら生まれていて、生きていた。 こういうことを言うと、人に叱られるし、おかんに泣かれるから言いたくはないのだ…

「エッチやで、おっさん」

先日、僕の実家に帰っていた時のこと、テーブルにうちのおやじがプリントアウトした資料や、週刊誌の切り抜きが置いてあった。なんだろうと気になって手にしてみると、それは「九・一一の同時多発テロはアメリカ合衆国政府の陰謀か!?」という内容だった。 …

「心にサムライを飼っている」

先日、地球環境をテーマにしたテレビ番組を観ていたら、あるコメンテイターの言葉に印象に残るものがあった。曰く「肥え太った人間たちが、このまま太り続けていられるように働きかけているのが現代の人間の姿だ」。 その通りである。地球温暖化が深刻化しよ…

「男はいくつになっても、う○ことキン○マの話が大好きなのだ」

僕は数年前より、原因不明の下腹部の痛みに悩まされている。 具体的に言えば、左のタマが痛くて非常に不安だった。 「将来きっと必要になるタネに影響したらどうしよう」、「まさか変な病気では? 心当たりは……ない」と。 いつも痛いわけではないのだが、お…

「アホである。誇りである。」

「もうあかん やめます!」という大きな垂れ幕を店先に掲げている靴屋がある。看板には「店じまい 売りつくし」とある。ただし、ここ十数年、掲げているらしい。いい加減、垂れ幕も排ガスで煤けて年季が入っている。 高速道路の脇にあるマンション。一見普通…

「それって恋だぜ」

名古屋市で四十四才のアダルトビデオ製作販売店経営者の男が逮捕された。 よくある、なんてことないニュースだ。 当時十六才だった女子高生が出演している無修正ビデオをインターネット通販で購入し、それにボカシ処理を加えて複製し販売したという。 一体、…

「僕にはわからない」

お盆よりちょっと前に、家族揃って米国のワシントンDCとニューヨークシティへ、一週間の旅行に出た。大阪に住む僕は関空から飛び、東京にいる両親と兄は成田から、そして、ニューヨークに住む弟はレンタカーを運転して、DCで落ち合うという一大計画が遂行さ…

「男には、断じてしなくてはならないことがある」

先日、ちょっとした食事会に僕の両親らを招待することになった。 熱暑の関西での食事だから、僕は招いた全員に「ノータイ」を提案して、当然自分自身もノータイで行くことに決めていた。 初めにそういうルールを決めてしまった方がお互いに楽だろう、メシ食…

「何卒、ご理解ください」

尊敬する作家を挙げるなら、中島らも氏とチャック・パラニューク氏。好きな作家や、すごいなぁと思う人はたくさんいるが、尊敬となると、僕は東洋西洋で断然この二人を挙げる。 共通するのは「天才」ということ。しかも、変わり者という言葉では表現し尽くせ…

「叱られるのは分かっているが」

みなさんご存知の通り、金というものは権力そのものであって、この資本主義の社会においては、残念ながら、金を持てる者こそが正義になってしまうことが多々ある。日本とシナの関係だって、敗戦以降半世紀に渡って日本はペコペコ媚びへつらってきたわけであ…

「だってだって、だってなんだもん」

昨晩、深夜二時頃に先輩とゴハン食べていたら、隣の席にいた別の先輩男女から突然声をかけられた。 「なぁ、ショータ。男と女はどっちが尿道が長いと思う?」 何を深刻そうに話し合っていると思ったら、こんなことについて激論を交わしていたようだ。だが僕…

「シンジケートを一網打尽」

大阪地下鉄の御堂筋線に座っていた時のこと。電車が淀屋橋駅に入ると、僕の前に立つ人が携帯電話を使い出した。駅の周辺のみは電波が入るから、その瞬間を待っていたのだろう。 「おう、ワシや。……高槻で待っとけぃ」 プツッ。 たったそれだけ。 僕はなんな…

「時間一杯気持ちいいこと」

女性に「自分の彼氏や旦那が、風俗に行く人だったらどうする?」と訊いてみると、答えは二方向に分かれる。「素人と浮気されるくらいなら風俗に行くほうがまし」という穏やかな人と、「絶対イヤ! 二度とアタシ触らないでって感じ」というキビシイ人と。 前…