月刊ショータ

元電通コピーライター。ずっと自称コラムニスト。著書『広告業界という無法地帯へ ダイジョーブか、みんな?』、『カウボーイ・サマー 8000エイカーの仕事場で』

2009-01-01から1年間の記事一覧

「六〇〇マイルって言われてもわかんないよ(NYC篇)」

シアトルを出発して五日目。ドライブのゴールである、ケンタッキー州ボウリング・グリーンを目指して、セントルイスを朝七時過ぎに後にする。 インターステイト六十四号を東へ進み、イリノイ州の南部を横切り、インディアナ州エバンズビルを抜けて、ケンタッ…

「六〇〇マイルって言われてもわかんないよ(ミズーリ篇)」

【カンザスシティ】 僕も知らなかったのだが、カンザスシティというのはカンザス州にではなく、ミズーリ州に属している。シアトルを発って四日目のこの日、僕と後輩の神市(仮名)は、およそ二五〇マイル(四〇〇キロ)先のカンザスシティを目指す。 ここで…

奈良県明神平

「六〇〇マイルって言われてもわかんないよ(サウスダコタ篇)」

【ワイオミング州】 モンタナを眠ったまま出て、ワイオミング州へ。モンタナ州が「リバー・ランズ・スルー・イット」なら、ワイオミング州は男と男の、いや人間と人間の永遠の愛に心が痺れさせられる「ブロークバック・マウンテン」に描かれた土地だ。 これ…

「六〇〇マイルって言われてもわかんないよ(モンタナ篇)」

シアトルでは、買い物して、ベースボール観て、レンタカーにも慣れ、ダウンタウンを観光して、楽しく濃密な二日間を過ごした。が、しかし……。 お遊びは終わりだ。灼けたハイウェイが男たちを待っている。ただし、その男たちの一人は色白で、もう一人は最近シ…

「六〇〇マイルって言われてもわかんないよ(シアトル篇)」

敗戦記念日の八月十五日。僕はやや複雑な気持ちで機上の人となった。向かうは米国のシアトルである。 後輩の神市くん(仮名)と一年越しの計画であったアメリカ横断の旅を遂行するべく、アメリカ合衆国の北西に位置するワシントン州シアトルへ向かったのであ…

「いい国つくろうは数字ではない」

うちの妻の勤務先は、猥雑な大阪の中でも最も賑やかな界隈に接している。通りに車がしばらく停まっているから、妻が気にしていると、頭髪を「盛った」ギャルがビルから出て来た。車は女性を後部座席に乗せて走り去ったとのこと。 そして、会社から少し離れた…

「ではなんて言えばいいんだろう」

先日、東京の四ッ谷を訪れたところ、ロシアからプーチン首相が来日中のため街宣車と警察車両が出てワーワーやっていた。四ッ谷だけでなく東京の中心ではそこここに警官隊が陣を張り、なにやら厳戒態勢であった。 街宣車から大音量でシュプレヒコールが鳴り響…

そんなもんどうにもなるかぃ

まずはこちらのアンケート結果をご覧下さい。 日本民営鉄道協会による二〇〇八年度「駅と電車内の迷惑行為ランキング」である: 一位 座席の座り方 二位 泥酔状態での乗車 三位 電車内で騒ぐ 四位 携帯電話の使用 五位 ヘッドホンからの音漏れ (以下略。知…

「地球のために、ファックミー」

僕の仕事は広告を作ることなのだが、環境広告を作ってくれ、というお題ほど憂鬱なものはない。いきなり矛盾を感じるからだ。 「私らはこんなに環境のためにがんばっています」ということを、たとえ事実であれ、わざわざエネルギーや資源を使って訴えかけるこ…

「ごまかしましょう。それではサン、ハイ!」

勤め先の廊下を歩いていると、ふいにギュインギュインギュインと音が聞こえてくる。任天堂Wii「零〜月蝕の仮面〜」というゲームで、幽霊に遭遇した時の効果音にそっくりなのだが、こんな説明でわかる人はいないだろう。 確かに気持ちのいい音ではないが、こ…

「今でもそういう夢を見る」

夜の十時頃の仕事帰り。僕が電車を降りて駅から家への道を歩いていると、集団下校の小学生たちとすれ違う。夜の十時である。つまり、塾からの帰りなのだろう。塾の先生に引率されて駅に向かって歩いているのだ。最近は防犯意識が高まって、塾側もそこまでし…