月刊ショータ

元電通コピーライター。ずっと自称コラムニスト。著書『広告業界という無法地帯へ ダイジョーブか、みんな?』、『カウボーイ・サマー 8000エイカーの仕事場で』

2021-01-01から1年間の記事一覧

「アメリカの叫び」

カントリーのラジオから叫びのような歌が聴こえてくる。 鉄をグラインダーで削ったときに飛び散る火花のような歌声と、胸ぐらを掴んでくるようなメッセージが、うつくしい旋律に乗せられている。 「なんだこの歌は」と驚いて調べてみると、Aaron Lewisという…

「毛のことに、いちいちうるさい国」

大阪の高校で、「髪を黒く染めろ」と強要されてモメた末、不登校になった女子生徒が慰謝料など損害賠償を求めた二審判決がニュースになった。 一審の報道: www.nikkei.com 二審: www.sankei.com 判決は、一審と同じく、「学校側の指導に違法性はない」とし…

「古いものは、腐ってない限りよいのではないか」

ダイバーシティだとかサステナビリティ―だとかSDGsだとかポリティカリーコレクトネスだとか、ホント―にうるさい世の中になったものだが、いつの世も敬意を払われモテるのは、男らしい人、女らしい人であるというのは強烈な皮肉である。 ……てなことを、ア…

「世界はなにをそんなにサステインしたいのか」

いま、世界中を覆い尽くす大問題は「偽善」なのではないかと思う。 もちろん、ウィルスは喫緊の問題なんだけど、ワクチンのおかげで克服の道筋がついた。そのうち治療薬も出てくることだろう。 アディダスが名品スタンスミスにレザーを使うことをやめて、合…

「恋のドアは、開けておけ」

ラジオで悩み相談の番組を聴いていたら、こんな質問だった。 「私は恋愛に興味がなくて、彼氏もほしくありません。親や友人など、まわりの声も鬱陶しいし、本当に価値観を押しつけてほしくないです。こんな生き方は許されないのでしょうか」 それに対して、…

「7回の夏の昔、なにをしていただろう」

久しぶりに音楽アルバムを買った。買ったと言っても、モノとしてのCDではなくてダウンロードなんだけど、以来ずっと聴いている。 モーガン・ウォレンという若いカントリー歌手で、僕はまず彼の”Whiskey Glasses”という曲で注目していて、不適な面構えも、ガ…

「BLMとはなんだったのか」

誰も書きたくないことを書くこのコラムだが、ここのところずっと考えていて、答えが出せないままのことがある。 ひとりで夜道を歩いていたら、向こうから黒人の男性が三人やってくる、としよう。僕は心のどこかで「怖いな」と思ってしまう。これは差別なのか…