月刊ショータ

元電通コピーライター。ずっと自称コラムニスト。著書『広告業界という無法地帯へ ダイジョーブか、みんな?』、『カウボーイ・サマー 8000エイカーの仕事場で』

2017-01-01から1年間の記事一覧

「キ、キミらはおもしろいのか?」  

ちょっと思い出話を。 一九九〇年代と二〇〇〇年代の間の頃のことである。僕はアメリカで大学を卒業したあと、帰国して法政大学の大学院に進学した。日本の大学生活というものを知らなかったし、それらしいことを体験してみたいと思って、「そうだ、サークル…

さぁ、憲法の話を(堂々と)しよう

うちの近所にものすごく安倍首相が嫌いなご様子の家があり、門に張り紙をしてまでその嫌悪を表明している。 「安保法制反対!」「安倍の独裁を許さない!」「憲法改悪するな!」 悪霊退散の御札か。 先の衆院選で自民党が大勝すると、ややトーンダウンしたの…

おっさんたちのスタンド・バイ・ミー③

ロザリー・レイクを後にすると、スイッチバック(九十九折のこと)で丘を下った。昨日はほぼずっと登りだったから、はじめて下りの筋肉を使ったような気がする。 ほどなくして、昨日の本来の目的地だったシャドウ・レイクに出た。このトレイルでは次々と湖に…

「おっさんたちのスタンド・バイ・ミー②」

マンモス・レイクスではまずウェルカム・センターに立ち寄って、予約してあったジョン・ミューア・トレイル(JMT)の入山許可証を取得しなくてはならない。ログハウス風の建物の中に、記念品や土産物のストアとインフォ・カウンターが一緒になってある。 …

「おっさんたちのスタンド・バイ・ミー①」

カリフォルニア州には「ジョン・ミューア・トレイル(JMT)」という有名なハイキング・コースがある。ハイキングと書くと、サンドウィッチでも携えてテクテクと歩く牧歌的なイメージだが、ここはウィルダネス(原生自然)の中を一本伸びるトレイルを歩く…

「寅よ、ちょっとは役に立たんかい」

二年前の夏、僕がカナダでカウボーイをしていたある日、日本の主人(妻)からメッセージが来た。 「猫飼ってもいい?」 僕は猫好きで、小さい頃から猫を何匹も飼ってきたけど、主人は犬好きで、実家で犬を飼ってきた。だから意外であった。余談だが、人間の…

「またやるんですか、『盗聴法』という言い換え」

2015年の夏、安全保障法制の施行に関連して、日本中が喧しかったはずである。はずである、というのは当時、私はカナダの牧場でカウボーイとして働いていたので、そこの母屋にある弱いワイファイにスマホをつないでニュースを閲覧する以外に状況を知る術がな…

拙著の「はじめに」を転載します

拙著『広告業界という無法地帯へ ダイジョーブか、みんな?』が刊行され、おかげさまでまずまずの評価をいただいています。 売上ランキングのどこで1位とか、それはひとまず措いて、読んでくださった人が「一気読みでした」「せつない気持ちになって、ちょ…

「小さな本屋さんと僕と電通のかかわり」

電通関西支社には昔から出入りされている書店がある。まや書店という。 店舗は大阪は淀屋橋の三井物産ビルの地下にあって、僕はそこにも行ったことあるのだけど、五人も入ったら一杯なくらい小さな本屋さんだ。 主人のおじいちゃんがいつも痩せた体で、雑誌…

「トランプ大統領就任演説に見るアメリカ人の限界」

ドナルド・トランプ新大統領の就任演説で、何をどのように言っているのか、全文を読んでみた。 www.huffingtonpost.jp www.newsweekjapan.jp 演説における言葉遣いや品位を問う声もあったが、まぁ、なんと言うか、間違ったことは言っていないかもしれないが…