月刊ショータ

元電通コピーライター。ずっと自称コラムニスト。著書『広告業界という無法地帯へ ダイジョーブか、みんな?』、『カウボーイ・サマー 8000エイカーの仕事場で』

「たくさん聴いたなぁ、トビー・キース」

最近は亡くなったひとのことばかり書いているようで気が滅入るが、それでも書いておこう。
Toby Keithというカントリー歌手が2024年2月5日(アメリカ時間)に胃がんとのたたいかいを終えてこの世を去った。

www.tobykeith.com

日本では知っているひとはあまり多くないと思うんだけど、いいカントリー歌手であり、ソングライターだったんだ。

アメリカでは数々の大御所たちが追悼の言葉を述べていた。

 ジ・オークリッジ・ボーイズ

シュナイヤ・トゥウェイン

クリント・イーストウッド

マシュー・マコノヒー 

ドリー・パートン

ルーク・コムズ

ティム・マグロウ

 

昨日、トビー・キースというカントリー歌手が胃がんのため62才で亡くなりました。
90年代から男らしいバリトンヴォイスで活躍しまして、私にも好きな曲がいくつもあります。知らなかったんだけど、テイラー・スウィフトを見出した(自分のレーベルに最初に契約を与えた)人でもあるそうな。
しかし、彼は00年代に入って以降(911からアフガン戦争)極右な発言と”Red, White and Blue”という曲に代表される愛国的なメッセージの歌を発表し、軍の慰問にも出かけたり、左派であるディクシー・チックス(現チックス)のナタリー・メインズとひと悶着あったり、一部のひとたちからは疎まれます。

スウィフトともおそらく政治的主張の齟齬から疎遠になっていると思われます。米国の主流セレブ界は左翼的なものですから。

人に対して追悼の言葉を期待/強制するほど野暮でありたくありませんが、思想のちがいも恩讐も超えて、彼の功績を讃えてほしいとは思います。

私が好きだったトビー・キースの歌は、

“Should’ve Been a Cowboy”
“A Little Less Talk and a Lot More Action”
“Wish I Didn’t Know”
“My List”
“Does That Blue Moon Ever Shine On You”
などたくさんあるのだけど、ひとつ選ばなくてはならないなら、”Me Too”である。

そんなわけで、恒例の歌詞の翻訳です。
カントリーはいいよ。トビー・キースにも長い年月、いい歌をたくさん聴かせてもらって、お世話になりました。

ありがとう。

“Me Too”  Written by Toby Keith and Chuck Cannon

If I send you roses for no reason at all
If out of the blue, I stop and give you a call
Once in a while, it’s breakfast in bed
And then pull the covers back up over our head

もし僕が理由もなく きみにバラの花を贈ったり
もし突然クルマを停めて きみに電話したり
たまにベッドで朝食をとって
それから毛布を引っぱって またふたりの頭にかぶせたり

If I call in sick, just to stay home with you
I want you to know why I do what I do
It’s my way of saying what I can’t express
But I want you to know, girl, I’m doing my best

もし僕が具合が悪いと言って きみといっしょに家にいる口実にしたら
なぜそんなことするのかわかってほしい
これは表現できないことの 僕なりの伝え方なんだ
でも僕が一生懸命やろうとしていることはわかってほしい

Oh I’m just a man. That’s the way I was made.
I’m not too good at saying what you need me to say.
But It’s always right there on the tip of my tongue.
It might go unsaid, but it won’t go undone.
So when those three little words come so easy to you,
I hope you know what I mean, when I say… Me too.

僕はただの男で そう生まれてしまったんだ
僕はきみが必要としている言葉を うまく言えないんだ
でもそれはいつもすぐそこまで出てる 舌の先まで
言わないままにすることはあっても しないままってわけじゃないんだ
だからあの短い三語(I Love You)がきみにとって自然に出るとき
僕はこう言うから 意味をわかってほしい

「僕もだよ」

If you should wake up and catch me watching you sleep,
And I break the silence by kissing your cheek.
If I whisper something that you don’t understand,
Don’t make me repeat it. I don’t know if I can.

もしきみが目覚めて きみを見つめる僕に気づいて
それから僕がきみの頬にキスをして 静けさを壊すなら
もし僕がよくわからないことを きみにささやくなら
僕にそれを繰り返させないで それはできるかわからないよ

Oh I’m just a man. That’s the way I was made.
I’m not too good at saying what you need me to say.

But It’s always right there on the tip of my tongue.
It might go unsaid, but it won’t go undone.
So when those three little words come so easy to you,
I hope you know what I mean, when I say… Me too.

僕はただの男で そう生まれてしまったんだ
僕はきみが必要としている言葉を うまく言えないんだ
でもそれはいつもすぐそこまで出てる 舌の先まで
言わないままにすることはあっても しないままってわけじゃないんだ
だからきみにとってあの短い三語(I Love You)が自然に出るとき
僕はこう言うから 意味をわかってほしい

「僕もだよ」

(対訳:前田将多)

 

 

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