月刊ショータ

元電通コピーライター。ずっと自称コラムニスト。著書『広告業界という無法地帯へ ダイジョーブか、みんな?』、『カウボーイ・サマー 8000エイカーの仕事場で』

2010-01-01から1年間の記事一覧

「権威の正しい使い方」

僕が高校生の頃はインターネットなんかなかったし、自転車通学で電車も乗らなかったし、当然新聞も読まなかったから、本を買う時は常に書店での「ジャケ買い」だった。 その後、本には賞というものがあるのを知って、ナントカ賞受賞と書いてあるものを優先的…

「私から言えることはひとつだけです」

世の中には知らない方がいいこと、知りたいけど知らない方がいいのがわかっていることというのは多い。 ベランダでふとんをバタバタしている人がいるが、そこで払われた埃はどこへ飛んで行って、どれくらい人に吸い込まれているのか。 清潔でいえば、このト…

「やっぱりわかってないのね感」

「カワサキ オートバイ」とカタカナで胸に大きく書かれたTシャツを着ていたら、会社で色々な人に声をかけられた。 「なんでカワサキなの?」とか「バイク好きなの?」とか「それ、いいねぇ」とか。 僕は普段は社名やブランド名が書かれた服は避けている。自…

「みなさんの、心の中にあるのです」

ツタヤでDVDを選んでレジに持って行ったところ、店員がこう言う。 「今、三本ですでに千円越えてしまっているのですが、キャンペーン中ですので、四本借りていただければ千円になりますよ」 そっか、そんならもう一本借りない手はない。しかし、一週間レンタ…

「そんなことでやつらに勝てるんかい!」

去年大きな夏休みを取ってアメリカ横断をしてから、一年が経ってしまった。旅の最中には、いつまでも旅を続けたいと思ったし、こんな素晴らしい旅ができて、もう人生はいつ終わってもいいと思ったものだ。しかし、こうして一年何事もなく暮らしている。 それ…

「ポスターとか、無理でしょ」

先日行なわれた参議院選挙は、僕はいつもしているように期日前投票で済ませてきた。僕の住む選挙区は候補者が三人しかいない田舎なので、あまりおもしろくもなかった。というか票を投ずべき候補者を選べなくて煩悶した。 そんなネガティブなベクトルで悩まな…

「僕が見ちゃった日本(四国後篇)」

この日の予定は、蝶々みたいな形をした四国の右の羽根の下隅、高知県室戸岬から西へ向かって走り左の羽根の付け根あたりへ。四万十川に着いたら北へ上り、カルスト高原を走る。そして、山をいくつか越えて愛媛県東予の港まで。 僕はビビりなので事前にキッチ…

「僕が見ちゃった日本(四国前篇)」

ゴールデンウィークを目の前にして、僕は「四国バイクの旅」には兄の革ジャンを着て行くべきか、弟の革ジャンを着るべきか迷っていた。 冬が終わり春が訪れた頃になって、無性に革ジャンがほしくなってしまった。それも純粋にモーターサイクルに乗るためだけ…

「大切な、大切な、いのちの話」

「男は孤独な旅人である」と言えば、大概のことは許されると思って生きてきた。去年はアメリカ横断もさせてもらったし、このゴールデンウィークにはバイクで四国を旅してくる。 子供のいる人なんかは、友人たちとテニスするのも、欲しいもの買うのも許可がい…

「酔ったふりの男と興味あるふりの女のとある一夜」

昼間降っていた雨は上がっていた。雨が作った水たまりが、街灯の明かりを反射している。男はかなり酔いが回っていたが、それでも新しい靴を気にして水たまりを避けて歩いた。 「もう一軒行こう」 男は女に言った。尋ねたのではなく、誘ったのでもなく、言っ…

「とうとう今月から家計簿付け始めました」

僕が乗っているカワサキのバルカンドリフターというモーターサイクルは、僕の所有しているモデルを最後に生産中止となった。カワサキでは、(二〇一〇年二月)現在いわゆるクルーザーとかアメリカンとか呼ばれるタイプのバイクが生産されていない。ここ何年…

「元日に国を思う」

元旦に、ひとりで暮らす母親を連れて靖國神社に初詣参拝してきた。僕は三度目の靖國参拝であるが、母親は初めてであった。 正月早々、いつものようなウ○コチ○コの話に終始するのもナンなので、今回はこの、誤解に満ちた、英霊の社について少し語ろうと思う。…