月刊ショータ

元電通コピーライター。ずっと自称コラムニスト。著書『広告業界という無法地帯へ ダイジョーブか、みんな?』、『カウボーイ・サマー 8000エイカーの仕事場で』

2011-01-01から1年間の記事一覧

「衝突を避ける。徹底的に(序章)」

年末になって、忘年会やら懇親会やらが何回かあり、いわゆるバフェ(バイキング)で食事することになった。 すると、必ず、大抵女性に「みんなのために、適当に何種類か料理を皿に持って、テーブルの真ん中に置いてくれる人」がいる。 それはちょいとありが…

「まだ怒ってるのか、お前は」

若い頃は、男を「条件」で選ぶ女性が大嫌いで、よく腹立たしく思っていた。 「医者としか結婚したくない」とか、「電通マンとコンパしたい」とか(マンとコが近過ぎてドキッとするね)、ふざけんなと。あなたの周りにもいる(いた)でしょう、そういうヤツが…

「アイ・ワズ・ア・カウボーイ」

この、理由のなき自然への憧憬はなんなのだろう、と時折思う。 僕は山とか草原とか湖を見るのがやたらと好きなのだ。だから、トレッキングしたり、モーターサイクルという鉄馬に乗ったりするのだ。加えて、僕が十代の頃より飽きもせずに聴き続けているカント…

「インディーズの矜持とロックの魂」

僕は自慢ではないが友達が少ない。同級生の仲間は東京にいるが、十年以上も住んでいる関西には本当に数えられるくらいだ。何百人もいる会社の中に、神市(仮名)という後輩が一人。あとは仕事関係の友人と一部重なりながら、トレッキング系で幾人か。そして…

「どうせオレは忘れちまうんだ(アスホール篇)」

朝九時四十二分バンクーバー着予定だった列車は、八時五〇分頃に駅に入った。こんなにアバウトなら「四十二分」とか予告しなければいいのに。 午後に小型飛行機でバンクーバー島のビクトリアという街へ向かうが、それまでの時間潰しにダウンタウンまで重い荷…

「どうせオレは忘れちまうんだ(テント篇)」

マウントロブソンが目の前に見えてきた。それでも目的地のキャンプ場まではまだ三キロほどある。つまりあと一時間ほどは歩かなくてはいけない。 辿り着かないのではないかという不安はもうないが、力の限界が近いこともわかっている。トレイルは河原まで下り…

「どうせオレは忘れちまうんだ(トレイル篇)」

ジャスパーに着いた翌日。ホテルの部屋で、夜中の三時半に目が覚めてしまった。 七時に階下のレストランが開店するまで、装備の点検でソワソワ。 これから一泊のトレッキングを敢行するため、北米らしい卵やベーコンのブレックファストで、せめてカロリーを…

「どうせオレは忘れちまうんだ(鉄道篇)」

シアトルでバンクーバー行きのホライゾンエアーに乗り換えるため、空港にてしばらく待機。 「シアトルといえばスタバでしょう」ということでスタバに入る。 「そのベーグルください。スライスしてトーストしてもらえますか? え? できない。両方ダメ。プラ…

「どうせオレは忘れちまうんだ(準備篇)」

男には冒険が必要である。時折。 見ず知らずの外国を一人で歩いて見たこともないものを見て、何事かを感じて帰ってくる義務がある。僕はそう考えている。 しかし、僕が海外一人旅をしたのはもう七年前のことになる。その時の模様は月刊ショータ〇四年七月号…

「僕のすべてを懸けて」

浜田省吾のことについて書こうか、グラビアアイドルについて書こうかと、ハマショー聴きながら散々考えていたら、想いが溢れそうになってきたので、ここはハマショーにします。すみません。聴きながら考える時点でフェアじゃないと思うんだけど。 本当は、ハ…

「勝手なことすんなよなー」

まずはこの画像をご覧ください(クリックで拡大)。 英語を解する人なら、こうなるはずである。 「あー倖田來未って亡くなったんだー。最近地震のニュースしか見てなかったからなぁ……って、死んでへんわっ」 という大阪名物ノリツッコミを一人ですることにな…

「願うが、きっとそうはならない」

東日本大震災が起こって以来、ありとあらゆることがあらゆる人 によって論じられているから、なんの専門家でもない僕がコメントするべきことは見つからないのだけど、思ったことをひとつふたつ 書くことにしよう。 地震が起きた数日後に石原慎太郎東京都知事…

「アメリカのなんやねん(後篇)」

関西以外にお住まいの方はご存知ないかもしれないけど、よしもとにプラン9というお笑いグループがありまして、その中でも地味なキャラであるヤナギブソンという人がいる。妻との馴れ初めなんかを滔々と語り、途中で気付いて「誰が興味あんねん!」と自分で…

「アメリカのなんやねん(前篇)」

日曜日。僕は朝からホットドッグとベイグルを食べて、午後からモーターサイクルに跨がり、クリント・イーストウッドの映画を観に行き、帰りにウェイトトレーニングをして、夜帰ってきた。 あとは、午前中に教会に行って、庭の芝生を刈れば、ほぼ完全なアメリ…