(前回からの続き)
- 「どうしたら、そういうことになれるのでしょう……」
人間関係という深遠なものに対する完全な対処法はないけれど、
僕は家に帰ってから、
教科書のタイトルは、『日常生活の社会学(Sociology in Everyday Life)』という。
索引を見ながら探すと、あった。
そこには「恋愛の発展へのホイール理論」
ホイールというのは車輪のことで、つまりサイクルのことだが、
- ①Rapport [一致:「いいな」「気が合うな」と思うこと]
- ②Self-revelation [自己開示:自分について曝すこと]
- ③Mutual dependency [相互依存:お互いを頼ること]
- ④Personality need fulfillment [人としてのニーズを満たしてくれること]
①は一瞬で決まる。メラヴィアンの法則と言って、
もう少し猶予を与えるなら、
しかも、これは教科書に書いてあることだから本当なのだが、
瞬殺で決まってしまう出会いに関して、
さて、③④は本論から外れるので割愛することは先に断っておく。
②の自己開示が最も重要である。
要するに「自分が何者で」、「何をしてきて」、「何が好きで、
出会ってすぐの表層的な会話、「どこに住んでるの?」とか「
だから、飲みに行った先で女性が同席していても、
かと言って、自分のことばかり喋り続けても、「
訊かれた質問には真っ直ぐ答えることだ。
勤め先を訊かれて、「ええっ……」などと口ごもる相手は、
そして、自己開示には「私はあなたに興味がある」
非言語でもって、すなわち態度や行動で、
「これが僕の連絡先です」とメモでも渡せば、それで「
連絡先を訊く・貰うことが恥ずかしければ、渡せばいいのだ。
恋愛は市場の法則により動いている。つまり、取り引きだ。
ひとつ註釈を挿入すると、結婚してのちのことは市場ではない。
僕の個人的見方だが、「相手に何も求めない。期待しない」
- 「給料はこれくらい家に入れてほしい」
- 「掃除洗濯をしてほしい」
- 「今晩あたり抱いてほしい」
こういった期待をするから裏切られた時に腹が立つ。依頼はしても期待はしない。これに尽きる。
「人間の間違いってのは、常に期待をして待つことじゃないかな」
これは、宮本輝が書いた言葉だ(『花の降る午後』)。
さて、ここまでは大体、科学の話であった。
大してモテてこなかった私のような人間が、
違うんだ。教科書に書いてあっただけなのだ。
科学的なトレーニングさえすれば、
松井秀喜氏だって、
畳といえば、先日友人がこんなことを言った。
- 「この前ええ言葉聞いてん。『三〇サセごろ、四〇シごろ』
なんやて」 - 「ほぉ」
- 「女は、三〇はさせてくれーと言われるが、四〇
はしてくれーと自分から言うくらいしたいんやて」 - 「なるほど」
- 「で、次にな、『五〇茣蓙むしり』と続くんや。
ゴザを掻き毟るほどという表現がええな」
彼はぐへへへと笑った。
まさか「してくれー」と自分では言いにくいだろうが、
あとは「ルールブック」を再読してほしい。
なんなら、こちらも合わせて読まれたし:
2007年12月号「まだ見ぬ娘への十箇条(続き)」
アメリカの大学で学んだことが、「どうしたらいいのか……」
「えー、『とにかく彼氏ほしい!』とかけまして、
「その心は?」
「簡単に入れます」
「ヤマダくん、彼女にゴザ一枚」