月刊ショータ

元電通コピーライター。ずっと自称コラムニスト。2003年より書いていた月イチコラム「月刊ショータ http://monthly-shota.jp 」をhatenaに転載しました。そのため、一部お見苦しい点があることをご容赦ください。

腰がこうとか脚がどうとか

僕は、野球というものにほとんど注意を向けずに少年時代を過ごした。当時は『キャプテン翼』の時代だったので、サッカーこそが新しく、自由で、カッコいいスポーツの代表であって、野球は「古い」「厳しい」そして「ダサい」ものであるという印象があった。…

「ピックアップマンには何かがある」

初めて訪れたバンコク。現地の仕事仲間にもらったガイドブックには「アーバンジャングル」という表現があったが、まさに都市のジャングルと言っていい混沌と猥雑さに圧倒される。街を歩いてみると、一見廃墟のようなビルのひとつひとつに人の営みがあり、野…

「※見た目上の演出です。」

数年ぶりに少し年上の友人に再会したところ、頭髪が薄くなっていた。会話の中でそこに触れていいものか迷っていると、僕の視線に気付いたのか、彼の方から切り出した。 「アタマ、禿げたでしょ」 「え、ええ」 ちょっと、どう反応していいのか困るよね……。 …

「(4+9)×2の旅 後篇」

九州自動車道という高速道路に入り、鹿児島に向かってぶっ飛ばす。山道と格闘した後は高速道路のありがたみが身に沁みてわかる。周りには車も少なく、日差しに南国の峻烈さが窺えるようになってきた。 サービスエリアで話しかけられたトラックの運転手さんが…

「(4+9)×2の旅 中篇」

愛媛県の八幡浜港を出たフェリーは、約二時間をかけて大分県臼杵港に着く。乗客は潮風を避けて客室内で思い思いに時間を過ごしている。車庫を地下とすると、船は三階建てで、僕は二階の甲板のベンチで本を読んでいた。しかし、寒くなってきたので後半は室内…

「(4+9)×2の旅 前篇」

二十七才でモーターサイクルに乗り始めて十年目になる。カワサキのバルカンドリフターであちこち旅をしてきたけれど、二〇一〇年に相棒の大谷さん(仮名)と四国をぐるっと旅してフェリーで大阪港に帰った際に、「四国と九州もフェリーでつながっている」と…

「そらぁ、ええもんつくりまっせ」

前回に引き続き、おっさんのことについて書こうと思う。ひと月にも渡って考えるなら、若い女性と、そない若くない女性のことだけを考えていたいものだが、自分の将来(もしかしたらごく近い将来)について考えるつもりで、あえておっさんについて思考を巡ら…

「おっさん的傾向と対策」

週が明けると年度が変わり、僕は入社十二年目になる。 昨夜は会社の野球チームでシーズン開幕前の飲み会をしていたのだが、知らない間に自分が若手ではなくなってしまったことに気付かされた。僕よりも先輩の四〇代の方々とテーブルについて、皿やビールなん…

「明日を信じて」

他の国のことはよく知らないから想像で書くのだが、日本には女性専門の独特な職業がある。「いるだけ」が仕事の職業だ。無礼を承知で言うが、たとえばクラブとかキャバクラのおねえさん、そしていわゆるグラビアアイドルと呼ばれる人たちがそれにあたる。 週…

「衝突を避ける。徹底的に(本論)」

今からちょうど二年前の二〇一〇年一月号のコラムで、僕はこう書いた。 「せめてこの国が、歴史の嵐の末に手元に得た憲法九条を堅持しながらも、毅然と生きていくことを望む」 僕はたまに愛国的な発言をするから、傾向的に言うと、こういうタイプの人間は憲…

「衝突を避ける。徹底的に(序章)」

年末になって、忘年会やら懇親会やらが何回かあり、いわゆるバフェ(バイキング)で食事することになった。 すると、必ず、大抵女性に「みんなのために、適当に何種類か料理を皿に持って、テーブルの真ん中に置いてくれる人」がいる。 それはちょいとありが…

「まだ怒ってるのか、お前は」

若い頃は、男を「条件」で選ぶ女性が大嫌いで、よく腹立たしく思っていた。 「医者としか結婚したくない」とか、「電通マンとコンパしたい」とか(マンとコが近過ぎてドキッとするね)、ふざけんなと。あなたの周りにもいる(いた)でしょう、そういうヤツが…

「アイ・ワズ・ア・カウボーイ」

この、理由のなき自然への憧憬はなんなのだろう、と時折思う。 僕は山とか草原とか湖を見るのがやたらと好きなのだ。だから、トレッキングしたり、モーターサイクルという鉄馬に乗ったりするのだ。加えて、僕が十代の頃より飽きもせずに聴き続けているカント…

「インディーズの矜持とロックの魂」

僕は自慢ではないが友達が少ない。同級生の仲間は東京にいるが、十年以上も住んでいる関西には本当に数えられるくらいだ。何百人もいる会社の中に、神市(仮名)という後輩が一人。あとは仕事関係の友人と一部重なりながら、トレッキング系で幾人か。そして…

「どうせオレは忘れちまうんだ(アスホール篇)」

朝九時四十二分バンクーバー着予定だった列車は、八時五〇分頃に駅に入った。こんなにアバウトなら「四十二分」とか予告しなければいいのに。 午後に小型飛行機でバンクーバー島のビクトリアという街へ向かうが、それまでの時間潰しにダウンタウンまで重い荷…

「どうせオレは忘れちまうんだ(テント篇)」

マウントロブソンが目の前に見えてきた。それでも目的地のキャンプ場まではまだ三キロほどある。つまりあと一時間ほどは歩かなくてはいけない。 辿り着かないのではないかという不安はもうないが、力の限界が近いこともわかっている。トレイルは河原まで下り…

「どうせオレは忘れちまうんだ(トレイル篇)」

ジャスパーに着いた翌日。ホテルの部屋で、夜中の三時半に目が覚めてしまった。 七時に階下のレストランが開店するまで、装備の点検でソワソワ。 これから一泊のトレッキングを敢行するため、北米らしい卵やベーコンのブレックファストで、せめてカロリーを…

「どうせオレは忘れちまうんだ(鉄道篇)」

シアトルでバンクーバー行きのホライゾンエアーに乗り換えるため、空港にてしばらく待機。 「シアトルといえばスタバでしょう」ということでスタバに入る。 「そのベーグルください。スライスしてトーストしてもらえますか? え? できない。両方ダメ。プラ…

「どうせオレは忘れちまうんだ(準備篇)」

男には冒険が必要である。時折。 見ず知らずの外国を一人で歩いて見たこともないものを見て、何事かを感じて帰ってくる義務がある。僕はそう考えている。 しかし、僕が海外一人旅をしたのはもう七年前のことになる。その時の模様は月刊ショータ〇四年七月号…

「僕のすべてを懸けて」

浜田省吾のことについて書こうか、グラビアアイドルについて書こうかと、ハマショー聴きながら散々考えていたら、想いが溢れそうになってきたので、ここはハマショーにします。すみません。聴きながら考える時点でフェアじゃないと思うんだけど。 本当は、ハ…

「勝手なことすんなよなー」

まずはこの画像をご覧ください(クリックで拡大)。 英語を解する人なら、こうなるはずである。 「あー倖田來未って亡くなったんだー。最近地震のニュースしか見てなかったからなぁ……って、死んでへんわっ」 という大阪名物ノリツッコミを一人ですることにな…

「願うが、きっとそうはならない」

東日本大震災が起こって以来、ありとあらゆることがあらゆる人 によって論じられているから、なんの専門家でもない僕がコメントするべきことは見つからないのだけど、思ったことをひとつふたつ 書くことにしよう。 地震が起きた数日後に石原慎太郎東京都知事…

「アメリカのなんやねん(後篇)」

関西以外にお住まいの方はご存知ないかもしれないけど、よしもとにプラン9というお笑いグループがありまして、その中でも地味なキャラであるヤナギブソンという人がいる。妻との馴れ初めなんかを滔々と語り、途中で気付いて「誰が興味あんねん!」と自分で…

「アメリカのなんやねん(前篇)」

日曜日。僕は朝からホットドッグとベイグルを食べて、午後からモーターサイクルに跨がり、クリント・イーストウッドの映画を観に行き、帰りにウェイトトレーニングをして、夜帰ってきた。 あとは、午前中に教会に行って、庭の芝生を刈れば、ほぼ完全なアメリ…

「権威の正しい使い方」

僕が高校生の頃はインターネットなんかなかったし、自転車通学で電車も乗らなかったし、当然新聞も読まなかったから、本を買う時は常に書店での「ジャケ買い」だった。 その後、本には賞というものがあるのを知って、ナントカ賞受賞と書いてあるものを優先的…

「私から言えることはひとつだけです」

世の中には知らない方がいいこと、知りたいけど知らない方がいいのがわかっていることというのは多い。 ベランダでふとんをバタバタしている人がいるが、そこで払われた埃はどこへ飛んで行って、どれくらい人に吸い込まれているのか。 清潔でいえば、このト…

「やっぱりわかってないのね感」

「カワサキ オートバイ」とカタカナで胸に大きく書かれたTシャツを着ていたら、会社で色々な人に声をかけられた。 「なんでカワサキなの?」とか「バイク好きなの?」とか「それ、いいねぇ」とか。 僕は普段は社名やブランド名が書かれた服は避けている。自…

「みなさんの、心の中にあるのです」

ツタヤでDVDを選んでレジに持って行ったところ、店員がこう言う。 「今、三本ですでに千円越えてしまっているのですが、キャンペーン中ですので、四本借りていただければ千円になりますよ」 そっか、そんならもう一本借りない手はない。しかし、一週間レンタ…

「そんなことでやつらに勝てるんかい!」

去年大きな夏休みを取ってアメリカ横断をしてから、一年が経ってしまった。旅の最中には、いつまでも旅を続けたいと思ったし、こんな素晴らしい旅ができて、もう人生はいつ終わってもいいと思ったものだ。しかし、こうして一年何事もなく暮らしている。 それ…

「ポスターとか、無理でしょ」

先日行なわれた参議院選挙は、僕はいつもしているように期日前投票で済ませてきた。僕の住む選挙区は候補者が三人しかいない田舎なので、あまりおもしろくもなかった。というか票を投ずべき候補者を選べなくて煩悶とした。そんなネガティブなベクトルで悩ま…

「僕が見ちゃった日本(四国後篇)」

この日の予定は、蝶々みたいな形をした四国の右の羽根の下隅、高知県室戸岬から西へ向かって走り左の羽根の付け根あたりへ。四万十川に着いたら北へ上り、カルスト高原を走る。そして、山をいくつか越えて愛媛県東予の港まで。 僕はビビりなので事前にキッチ…

「僕が見ちゃった日本(四国前篇)」

ゴールデンウィークを目の前にして、僕は「四国バイクの旅」には兄の革ジャンを着て行くべきか、弟の革ジャンを着るべきか迷っていた。 冬が終わり春が訪れた頃になって、無性に革ジャンがほしくなってしまった。それも純粋にモーターサイクルに乗るためだけ…

「大切な、大切な、いのちの話」

「男は孤独な旅人である」と言えば、大概のことは許されると思って生きてきた。去年はアメリカ横断もさせてもらったし、このゴールデンウィークにはバイクで四国を旅してくる。 子供のいる人なんかは、友人たちとテニスするのも、欲しいもの買うのも許可がい…

「酔ったふりの男と興味あるふりの女のとある一夜」

昼間降っていた雨は上がっていた。雨が作った水たまりが、街灯の明かりを反射している。男はかなり酔いが回っていたが、それでも新しい靴を気にして水たまりを避けて歩いた。 「もう一軒行こう」 男は女に言った。尋ねたのではなく、誘ったのでもなく、言っ…

「とうとう今月から家計簿付け始めました」

僕が乗っているカワサキのバルカンドリフターというモーターサイクルは、僕の所有しているモデルを最後に生産中止となった。カワサキでは、(二〇一〇年二月)現在いわゆるクルーザーとかアメリカンとか呼ばれるタイプのバイクが生産されていない。ここ何年…

「元日に国を思う」

元旦に、ひとりで暮らす母親を連れて靖國神社に初詣参拝してきた。僕は三度目の靖國参拝であるが、母親は初めてであった。 正月早々、いつものようなウ○コチ○コの話に終始するのもナンなので、今回はこの、誤解に満ちた、英霊の社について少し語ろうと思う。…

「六〇〇マイルって言われてもわかんないよ(NYC篇)」

シアトルを出発して五日目。ドライブのゴールである、ケンタッキー州ボウリング・グリーンを目指して、セントルイスを朝七時過ぎに後にする。 インターステイト六十四号を東へ進み、イリノイ州の南部を横切り、インディアナ州エバンズビルを抜けて、ケンタッ…

「六〇〇マイルって言われてもわかんないよ(ミズーリ篇)」

【カンザスシティ】 僕も知らなかったのだが、カンザスシティというのはカンザス州にではなく、ミズーリ州に属している。シアトルを発って四日目のこの日、僕と後輩の神市(仮名)は、およそ二五〇マイル(四〇〇キロ)先のカンザスシティを目指す。 ここで…

奈良県明神平

「六〇〇マイルって言われてもわかんないよ(サウスダコタ篇)」

【ワイオミング州】 モンタナを眠ったまま出て、ワイオミング州へ。モンタナ州が「リバー・ランズ・スルー・イット」なら、ワイオミング州は男と男の、いや人間と人間の永遠の愛に心が痺れさせられる「ブロークバック・マウンテン」に描かれた土地だ。 これ…

「六〇〇マイルって言われてもわかんないよ(モンタナ篇)」

シアトルでは、買い物して、ベースボール観て、レンタカーにも慣れ、ダウンタウンを観光して、楽しく濃密な二日間を過ごした。が、しかし……。 お遊びは終わりだ。灼けたハイウェイが男たちを待っている。ただし、その男たちの一人は色白で、もう一人は最近シ…

「六〇〇マイルって言われてもわかんないよ(シアトル篇)」

敗戦記念日の八月十五日。僕はやや複雑な気持ちで機上の人となった。向かうは米国のシアトルである。 後輩の神市くん(仮名)と一年越しの計画であったアメリカ横断の旅を遂行するべく、アメリカ合衆国の北西に位置するワシントン州シアトルへ向かったのであ…

「いい国つくろうは数字ではない」

うちの妻の勤務先は、猥雑な大阪の中でも最も賑やかな界隈に接している。通りに車がしばらく停まっているから、妻が気にしていると、頭髪を「盛った」ギャルがビルから出て来た。車は女性を後部座席に乗せて走り去ったとのこと。 そして、会社から少し離れた…

「ではなんて言えばいいんだろう」

先日、東京の四ッ谷を訪れたところ、ロシアからプーチン首相が来日中のため街宣車と警察車両が出てワーワーやっていた。四ッ谷だけでなく東京の中心ではそこここに警官隊が陣を張り、なにやら厳戒態勢であった。 街宣車から大音量でシュプレヒコールが鳴り響…

そんなもんどうにもなるかぃ

まずはこちらのアンケート結果をご覧下さい。 日本民営鉄道協会による二〇〇八年度「駅と電車内の迷惑行為ランキング」である: 一位 座席の座り方 二位 泥酔状態での乗車 三位 電車内で騒ぐ 四位 携帯電話の使用 五位 ヘッドホンからの音漏れ (以下略。知…

「地球のために、ファックミー」

僕の仕事は広告を作ることなのだが、環境広告を作ってくれ、というお題ほど憂鬱なものはない。いきなり矛盾を感じるからだ。 「私らはこんなに環境のためにがんばっています」ということを、たとえ事実であれ、わざわざエネルギーや資源を使って訴えかけるこ…

「ごまかしましょう。それではサン、ハイ!」

勤め先の廊下を歩いていると、ふいにギュインギュインギュインと音が聞こえてくる。任天堂Wii「零〜月蝕の仮面〜」というゲームで、幽霊に遭遇した時の効果音にそっくりなのだが、こんな説明でわかる人はいないだろう。 確かに気持ちのいい音ではないが、こ…

「今でもそういう夢を見る」

夜の十時頃の仕事帰り。僕が電車を降りて駅から家への道を歩いていると、集団下校の小学生たちとすれ違う。夜の十時である。つまり、塾からの帰りなのだろう。塾の先生に引率されて駅に向かって歩いているのだ。最近は防犯意識が高まって、塾側もそこまでし…

「地元で生きて、地元で死んでいく彼らへ」

年末に立て続けに同窓会があって、なんだか形容しがたい不思議な気持ちでこれを書いております。月曜日に中学の同窓会、火曜日には高校の同窓会。後者は幹事団が半年以上も準備して実現してくれた大規模なもので、それは素晴らしいイベントになった。 でも、…

「三十三才の誕生日に、また言ってはいけないことを言おう」

会社でセクハラの意識啓蒙ビデオを見せられた。内容は、いわゆる「えっ、こんなこともセクハラなの!? どうして?」という、男性社員が犯しがちな事例集とその解説のかたちで構成されていた。 それを我々社員は、失笑と苦笑でもって鑑賞するのだが、その中…